高血圧



なかなか血圧の下がらない人は ~二次性高血圧~

薬を飲んでもなかなか血圧の下がらない人、20代や30代の若いころからすでに血圧が高いと言われていた人、ここ数か月で急激に血圧が高くなった人、そのような人は高血圧の原因に年齢以外の別の理由がある場合があります。


原因がはっきりしている場合には、その原因を改善することで血圧が一気に良くなることもありますから、そういう原因が隠れていないかどうか調べることは、とても重要な事と言えます。  

それらの原因としては、
  □ アルコールや肥満など一般的なものから、
  □ 薬剤の副作用、
  □ ホルモン異常、
  □ 睡眠時無呼吸症候群
 など様々なものがあげられます。

 

 副作用を生じるような薬剤と言っても、必ずしも病院からもらうものばかりが薬剤ではありません。ときには薬剤とは思ってもいなかったものが、原因になることがあります。

脂肪燃焼と称して販売されているものも実は成分に漢方薬を含んでいたりして、薬と同じだったなんてこともあります。健康食品というこで、食品だから薬ではないだろうと、薬と思われていないこともよくあります。

健康に気をつかって飲んでいる健康食品で実は健康を害していたなんてこともあり得ます。 健康食品を定期的に使用している方は一度見直しをしてみるのも一つかもしれません。


ホルモンの異常な増加から高血圧に至るケースも少なくないです。長年高血圧として治療を受けている方の中にも、実はホルモンの増加が原因だったという方も見えます。まず血液検査でそれらのホルモンを測定することが出来ますから、外来で血液検査を行いましょう。その結果ホルモン異常が疑われたら、CTなど画像検査や負荷試験などの精密検査を行うことになります(*その際は総合病院へ紹介となります)。

 

意外と見落とされがちなのが、睡眠時無呼吸症候群です。
 無呼吸と高血圧は密接な関係にあります。夜間呼吸が止まり、再開した後には急激な血圧の上昇をきたすことがあります。血圧の上昇と低下を一晩に何回も繰り返すわけですから、血管にとっていいはずがありません。

いびきをかく、無呼吸を指摘された、昼間眠いなどの自覚のある方で、高血圧をお持ちの方は是非一度、簡易の無呼吸検査(自宅に持ち帰り一晩だけ装着する検査)にて睡眠時無呼吸が無いか検査しましょう。無呼吸を治療することにより血圧がコントロールできるようになることもあります。


 当院では上記疾患の簡易検査、外来採血検査を施行しております。高血圧で気になる方はお気軽にご相談下さい。

 

”高血圧の薬は飲み始めると一生飲み続けなければいけないの?”

高血圧イメージ

 一般的には、人は誰でも年をとると動脈硬化を起こし、これが原因でまた血圧が高くなります。ですから、ある程度年をとると血圧が高くなるのは当たり前の出来事だと言えます。そして、血圧が高いのに、これを放っておくと、全身の血管の動脈硬化がさらに進んでガタガタになり、やがて詰まったり切れやすくなります。これが原因で、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞、腎不全、大動脈瘤などを起こすことになり、ときには病気のために寝たきりの生活を強いられることになりえます。

 血圧をきちんと管理して、たった10mmHg血圧を下げることにより、脳卒中で約40%、心疾患で20%リスクが低下することが明らかになっています。

 年をとればとるほど血圧は高くなるのが一般的ですので、「血圧が高い」と言われたならば、その時点から何らかの対策をしなければ、どんどん動脈硬化が進んで脳梗塞などを生じやすくなります。

 血圧の薬を飲むのが嫌ならば、それはそれで食事療法や、運動療法を徹底して、血圧を下げればそれでいいと思います。血圧が下がれば別に薬に頼る必要はありません。または、最初は薬に頼って血圧を下げておいて、食生活の改善でコントロールできるようになれば薬を止めても構わないと思います。

 問題は、そういう年になったのに、血圧を下げる様な対策もせずに放っておくことです。食生活の改善もしない、血圧の薬も飲まないという人は、病気になる確率がそれだけ高くなるということです。
 理想は薬に頼らずに食生活を改善させ、それで血圧を下げるのが一番いいと思います。しかし、年と共に血圧は上がる傾向にあることを考えるとなかなか難しいと思います。また食生活改善に自信が無い方はなおさら薬の助けを借りた方がよいと思われます。今は昔と違っていい薬がたくさんあります。昔と比べて血圧は薬で随分下がりやすくなりました。

 血圧の薬を開始することに抵抗のある人も、この薬は自分の人生にとってきっといいことをもたらしてくれる、自分のためだけでなく家族のためにもリスクを少しでも下げておこう、と考えれば薬を飲むことにもっと前向きになれるのではと思います。

 そろそろ高血圧が気になる方は、何から始めるべきか一緒に考えましょう。