ご挨拶
このたび、多くの方々からご協力ご支援を賜り、この桑名という地に、えば内科・循環器内科を開院させて頂くことになりました。
桑名の山本病院(現桑名東医療センター)で産まれ母の病気のため乳児期は桑名市額田の祖母の家にしばらく預けられました。数か月後に退院した母とともに三重郡川越町の父方の実家に移り、大学を卒業するまではそこで育ちました。乳児期の記憶は当然ありませんが、桑名は僕の第二の地元だと思っています。縁あってそんな桑名で医院を開くことになりました。
25歳の時にその母を乳がんで亡くしました。僕が医者になり、ようやく母の病気を自分が見れるようになった時のことでした。
自分の家族を病気で失うつらさは、その時身をもって体験しました。自分の家族が病気で苦しむのを見るのはつらいことです。同様に自分が病気になればそれを見ている家族もつらい思いをします。
たかが生活習慣病、されど生活習慣病。血圧やコレステロールが高いとか、血糖が高いなどの生活習慣病は特に症状もなく、別に対して病気ともなんとも思わないかもしれません。しかし、高血圧や糖尿病のある方は、放っておくとそれらのない方に比べて確実に、心筋梗塞や脳卒中になりやすいです。もしも、心筋梗塞や脳梗塞になってしまったなら、ご自身もきっと苦しい思いをすることになるでしょうがそれ以上に、家族の方はもっと苦しい思いを抱いているかもしれません。
そんな思いをする人が少しでも減るように、微力ではありますが僕がその手助けをさせて頂けるなら幸いです。
これから僕のところを受診して頂いた患者さまとそのご家族が、少しでも笑顔に近づけるように頑張りたいと思います。どうぞ末永くよろしくお願いいたします。
プロフィール
- 略歴
- 昭和47年 桑名市で生まれ、 その後三重郡川越町で育つ
昭和63年 明和中学校 (現川越中学校)卒業
平成3年 四日市高校卒業
平成9年 三重大学医学部卒業
以後 鈴鹿中央総合病院
三重大学付属病院
榊原温泉記念病院
松阪中央総合病院 (循環器科医長)
名張市立病院 (循環器科副部長)
桑名東医療センター (循環器内科部長)
平成29年 えば内科・循環器内科開院 - 資格
- 医学博士
日本内科学会認定 総合内科専門医
日本循環器学会認定 循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会 認定医(2023まで)
笑顔
院内のスタッフのネームカードには、すべて違う種類の「笑顔」のイラスト文字が描かれています。みんなひとりひとり違う笑顔で、患者さまひとりひとりに応対したいと考えています。
よく古い言葉で、「病は気から」という言葉があります。これは、病気は気の持ちようによって、良くも悪くもなるということわざですが、実際に心配事や不愉快なことがあると病気になりやすかったり、病が重くなったりするような気がします。また逆に気持ちを明るく持ち、無用な心配をしない方が、病気が治りやすかったりするような気がします。
医学の臨床データを取るときに、薬が効くのか効かないのかを判断する時に、必ず”プラセボ”と言って偽物の薬を飲むグループを作ります。なぜこのようなグループを設定する必要があるかというと、偽物の薬を飲んでいるにも関わらず、不思議と病気が良くなることがあるからです。(偽物の薬を飲んだ人たちよりも効果が出ないと、その薬は本当に効く薬なのか疑問符を打たれます。)偽物の薬を飲む人たちは、きっとこの薬で病気が良くなると思って飲んでいるわけで、それで本当に病気が良くなるのですから、本当に病は気からなんだと思います。
最近は実際に実験でも、ストレスの有無によって、体内の化学物質が変化することが証明されてきています。
医院にみえる方は、実際にさまざまな病気を抱えてみえる訳で、さすがに患者さまに向かって「病は気からですよ」なんて説明はできないですが、しかし、私達の「笑顔」によって少しでも患者さまのつらい気持ちが和らげば、それはほんの少しかもしれないですが、病気がきっと良い方向に向いてくれるものだと信じています。